NPO法人教育支援・門真っ子とは <あいさつにかえて>

NPO教育支援・「門真っ子」理事長 岩出 洋

2022年度の門真っ子がスタート

    市内小学校に協力していただいて配布しました門真っ子からの呼びかけに応えて応募された方々に集まっていただき、2022年5月7日に市民プラザで、保護者説明会を開催しました。
2年間に及んだ活動の停止により、本年度は、3年生40名(20名×2クラス)・4年生40名(20名×2クラス)の定員募集を掛けましたが、3年生19名、4年生27名と大幅な定員割れとなりました。しかし、再開できることの喜びと、子どもたちの学ぶ姿に出会えることの楽しみは何物にも代えがたいものです。
応募された皆さんの願いに応えていけるように、少人数という利点も活かしながら、これまで以上に頑張っていかなければと気持ちを引き締めているところです。

設立18年目を迎えた「門真っ子」

2005年、学校以外に学ぶ機会に恵まれない門真の子ども達のために、既に退職していた元教職員が、現場の先生たちからの強い要請に応えて立ち上げた「教育支援・門真っ子」も今年で18年目に入りました。設立当時はほとんどが60代でしたがその頃のメンバーは皆70歳半ばを超えました。
 教育支援・門真っ子は学校が休みの土曜日の午前中2時間、門真市民プラザと市立文化会館を会場に門真市内の小学校3年生と4年生の希望者を対象として、130名の参加児童と国語と算数の学習会を開いていましたが、2022年度からは、市民プラザのみでの学習会の開催となっております。
支援するスタッフはほとんどが門真市内の小中学校に長年勤めた退職教職員です。20名ほどで始めたこの活動も現在会員は60歳代から70歳代を中心に80歳代までの30数名になりました。
2年の活動休止を経て、2022年度、参加している児童は3・4年生あわせて、44名でスタートすることとなりました。傷害保険料や賛助会員の年会費として合計2200円を負担してもらいますが、毎月の受講料は無料になっています。
会場を市民プラザに一本化し、2年間の活動休止を経て、学習支援活動の再開を果たすことができました。

手厚い支援でわかる喜びを、そして学ぶ意欲を

 ところで、門真っ子の一番のうりは「手厚い支援を」です。20人前後の教室におじいちゃんやおばあちゃんばかりですが、優しく教えてくれるスタッフが5人も6人もいて、分からないところは直ぐに、しかもじっくり教えてもらえます。自分たちのことを「優しいスタッフ」というとおかしいですが、私たちの側に現職の時には決して持てなかった「心の余裕」があるのです。ですから自然に優しく丁寧に対応できるのです。つまずいている子には時間を気にせず寄り添うことができます。子ども達の方も直ぐに私たち一人一人の個性を見抜き、自分に合った先生に尋ねるようになります。きっと学校の教室では担任の先生に聞きたくても聞けなかっただろうと思う子が、何の遠慮もなく素直に教えてほしいと意思表示してくるようになるのです。たった週1回の学習会ではありますが、自分から分からないところを聞いて理解ができるようになり、自信が生まれ、分かる喜びと学ぶ意欲を取り戻し、学校の授業にも表れてくるのだと思います。このような子どもとの繋がりこそが門真っ子の宝だと思っています。

学ぶ機会に恵まれない子どものための「門真っ子」なのですが‥‥。

初めに学校以外に学ぶ機会に恵まれない児童のためにと言いましたが、実際に通っている子が全部そのような児童かというとそうではありません。むしろそのような子は少数です。募集は学校にお願いして用紙を配布していただくのですが、子どもが持って帰ってきた1枚の募集のお知らせを見て保護者の方が参加させようと考えられるのですから、そうなるのは当然かも知れません。ここが私たちの大きな課題なのですが解決策はなかなか見つかりません。

子どもの変化と受け止め方は?

 参加してくる子はほとんどが親の強い勧めです。ですから初めの何回かは仕方なしにやってくる子が大部分です。ところがしばらく回を重ねると様子が変わってきます。お休みの日にわざわざ校区を離れて、暑い日も雨の日もいそいそと勉強をするためにやってくるようになるのです。これには私たちの方が毎年驚かされます。もちろん全員がそうだとは言いませんが‥‥。
 2018年度の最後の活動日に修了式を行いました。そこで子どもたちに門真っ子に参加してどうだったか尋ねると、多くの子が自ら手をあげ門真っ子に来て良かったと言ってくれました。「門真っ子の学習会で自信が付いて学校の授業でも手を挙げられるようになった。」「本読みが苦手だったがちょっと好きになってきた。」「宿題が直ぐに出来るようになった。」「計算が速くなった。」「学校の成績が少し良くなった。」等々、こちらが嬉しくなるようなことを口々に言ってくれました。中には「門真っ子でよその学校のお友達がいっぱい出来て良かった。」と言う子もたくさん居ました。最近は各学校とも学級数が減り友達関係が限定されている中で、これも子どもの成長にとって大切だなと再認識させられました。

「門真っ子」にみなさんの力をお貸しください。

 ところで、私たちの活動は市民プラザの指定管理者であるトイボックスとのパートナーシップ事業になっています。私たちは市民プラザの事業推進に協力する代わりに会場の使用などいろいろ配慮いただいています。
課題はスタッフの高齢化と人数の減少です。18年目ということで現状において、大量退職の時代も終わり、新たに加わってもらえる人も減りました。門真っ子のうりである「手厚い支援を」を続けるためにも、今後は保護者や市民、そして将来的には門真っ子に参加し、巣立っていった若者達がスタッフとして加わってくれることを夢見て活動しています。関心のある方は是非一度活動の様子を見に来てください

2022.5.14







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